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集客を2倍にした「湘南ベルマーレフットサルクラブ」の3つの軸【ウェビナーレポート】

湘南ベルマーレフットサルクラブ_ウェビナー画像

エンドライン株式会社山本社長(以下、山本):

皆さんこんにちは。

エンドライン株式会社モリアゲアドバイザー山本と申します。よろしくお願いします。

うちはプロスポーツチーム様向けに事業を行っております。今回はうちのお取引先でもあります湘南ベルマーレフットサルクラブの佐藤様にご登壇いただきました。

湘南ベルマーレフットサルクラブ様の集客数が、この時期に倍になっているという背景があり、ぜひお話をお伺いしたい、と思いまして、こういった機会を設けさせていただきました。

集客数は横ばいのチームが多い中で、まず二倍になった要因や、Twitterなどを活用して色々と発信している社長の佐藤様の想いを伺っていきます。

そして最後には湘南ベルマーレフットサルクラブ様の資料の作り方を、見させていただきます。

ただし今日、資料の作り方をみて「真似してください」というわけではありません。

「こういう作り方をすると多分スポンサー獲得もしやすいし、ファンにも訴えられるんじゃないかな」という資料も出てきます。

参考にできるところがたくさんあると思いますので、聞いていただけますと幸いです。

では佐藤社長、よろしくお願いいたします。 

 

湘南ベルマーレフットサルクラブの佐藤社長(以下、佐藤):

ありがとうございます。改めましてただいま紹介いただきました湘南ベルマーレフットサルクラブの代表をしております佐藤と申します。

今日はどのように集客につなげていくか、という話をさせていただきたいと思います。新型コロナウイルス感染症の影響があるなかで、人の出足が鈍かったり、人が集まりにくかったりする状況がありました。

そのなかで湘南ベルマーレフットサルクラブが「集客のために何をやってきたか」という話を実体験を交えながらお伝えしていきます。

また自分の考え方やクラブの方針、感性を織り交ぜながらみなさんと、同じような課題感を共有して解決策を探っていければと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

では、先ほど案内がありました資料を共有させていただきます。 

まずは当クラブの紹介をさせていただきます。

湘南ベルマーレは総合型地域スポーツクラブで、多種多様な競技を保有しており、広く いろいろな方といろいろな接点を持ちながらスポーツを通じて地域との関連性を作っていくという理念を持っています。

湘南ベルマーレでは、ビーチバレーボール、サイクルロードレース、トライアスロン、ラグビーセブンス、サッカー、フットサルといった競技を持っています。

我々はそのなかのフットサルをやっています。

我々は神奈川県の中でもより西側で、小田原を中心とした県西地域や西湘とかに活動の中心を持ってきました。

シーズンスタートの新体制発表が終わったあと、昨年522日に、小田原駅前の小田原城に通じるお城通りという駅前通りを封鎖してパレードを行いました。

これは僕らのクラブを象徴している絵になっています。

クラブ事業としてこういったイベントを開催する時は、当然クラブが主体的に企画をして運営していくわけです。

ただ実はこのイベントを開催していただいてるのは、僕らを応援していただいている後援会組織なんです。

「FAO:ファオ」という名前の組織なのですが、後援会組織の人達が自らクラブのスタッフや選手を鼓舞したいという、純粋な想いだけで道路使用許可を取り、近隣に説明をし、集客をしてくれて、我々は出来上がったところにゲストとして伺う形でした。

 

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この写真がまさに僕らの現在地、現状を表している写真になります。

ここから少しフットサルの話をさせていただきます。

Fリーグ、日本フットサルリーグは現在F1とF2というカテゴリーに分かれています。

我々湘南ベルマーレは、F1に所属しております。

北は北海道から、南は九州の大分県まで、広い地域にリーグに所属するチームがあります。

関東のチームが少し多い状況です。神奈川県には、我々湘南ベルマーレとYSCCという二つのクラブがあり、この二つは両方ともJリーグクラブを保有している状況になっています。 湘南ベルマーレでは、クラブの事業戦略を昨年の4月に立てさせていただきました。

 

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ここに書いてある競技性、社会性、事業性は、それこそJリーグなどに加盟するスポーツクラブが推奨している3つの軸です。

この3つはすごく秀逸で、どれも欠けてはいけないものです。

特に我々スポーツ団体だと競技性にどうしても押し切られてしまう風潮があります。

どうしても強化の方ばかりにリソースや資金やパワーをかけすぎてしまう課題が常に付きまとうんです。

でもこの3つの軸があって「それを1/3ずつ平等にやるんですよ」と説明すると、クラブのスタンスが非常に伝わりやすくなる、という実感を持っています。

競技性においてはやはり「勝った」「負けた」「優勝圏内に入った」「リーグ優勝」という話になります。

 

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そしてFリーグを制覇するとアジアのチャンピオンに挑戦できるので、5年間でここを目指します、という指標を出しました。 

地域の皆さんにお伝えするときにすごく大事にしているのが、

「勝ってリーグ優勝します」

「日本一とります」

という言葉とともに、なんとなく閉塞感がある状況の中で地域に「世界」みたいなワードを少し会話の中に出して

「世界基準のことを成し遂げたいんです」

ということを伝えます。

なので今アジアチャンピオン、世界というワードを少しずつ具体的に地域の皆さんにお伝えするような取り組みをしています。と言いつつも今シーズンは、優勝圏内の三位を目指したんですが、五位でフィニッシュということになりました。

ここで今日の問題になるのが、二つ目の事業性です。

事業性にはさまざまな考え方がありますが、ひとまず皆さんに認知しやすいホームゲームを題材として

「ホームゲームに年間何人ぐらい来ていただくのか」

という目標設定をしています。事業性も同様に数値目標をおくのは非常に大切なことです。

なぜなら数値目標をおかないと

「(なんとなく)満員目指します」

という言葉だけになってしまうからです。

「来場者数を何人にする」「何人の人たちに楽しんでもらえるようにします」と数字として出しています。

今シーズンは延べ15,000人、ステップを踏んで2万人、そして5年後に3万人としています。僕らの小田原アリーナのキャパシティを考えると、5年後に常にチケットが売り切れていて、常に満員という状況を作るために進めている、ということになります。

実際、今シーズンどうだったか。

ぎりぎり目標を突破しました。年間で延べ15,602人にご来場いただいたという結果になっています。

 

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バスケットや野球などは試合数、ホームゲームの数が多いので、魅力的な競技だと思います。一方でフットサルはややネガティブに捉えていて、年間でホームゲームが11試合しかありません。

これは将来的な収益構造を考えた時にチケット収入を柱に置くためには、ホームゲーム数を増やしていかなきゃいけないことになります。

そのためにはリーグを動かさければいけませんし、選手の競技に向かう仕組みを変えないと難しいと考えています。

ホームゲームが11試合なので延べ15,000人と考えると1/10ぐらいの数が一試合当たり来ていただいている人数になるので、1試合あたり1500人ぐらいのお客様に来ていただいたことになります。

トップスポーツ事業をやっていると、専用アリーナはとても魅力的にみえます。しかし我々の現在は、文化体育館をお借りしてやっている状況です。

小田原アリーナは、JRの新幹線も停まる小田原駅から車で15分ぐらいのところです。

電車では小田原駅から小田急小田原線に乗り換えて富水(とみず)駅で降りて、徒歩15分という立地です。アクセスは決していいとは思っておりません。

ではここから、試合に向けた演出系の施策を紹介していきます。

特に気を付けているのが、フットサルを見に来るだけじゃ、やっぱり満足感がない、ということです。近所の人が小田原アリーナに行ってチケットを買ってへ試合を見ると同時に、フリースペースで何か「コト消費」をしてもらうように心がけています。

もちろんどこのスポーツイベントでもやっていることだと思いますが、子供向けのこのふわふわみたいなのは結構鉄板で、これだけやって帰るというお子さんも今シーズン結構見られました。

 

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こちらがブースの配置です。大体10ブースほどを目標に構成しています。

 

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キッチンカーなど飲食で楽しんでもらうこと以外にどのようなブースを出しているのかというと、このベルマーレのフットサルクラブのホームゲームを利用して、ご自身の活動のPRの場に使っていただくというやり方をしています。

ここに記されているブースは特にスポーツや湘南ベルマーレに関係するものではなく、それぞれ事業をお持ちになっている方々に、人が集まる場所で自分たちの活動をPRする場に使っていただいています。

 

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それぞれのブースが割と独立していて個性を出してもらいつつも湘南ベルマーレの方向性を外して来るブースも当然いないので、なんとなくでも、みんなで作り上げる雰囲気が最近は出始めていると感じています。

このあたりからエンドライン株式会社の山本社長にご協力をいただいて装飾を施しています。「文化体育館」から少しずつ非日常感を出すために作り込んでいます。

 

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今、場外の話をしたんですけど、場内の装飾はどうなっているか、というとやはりここも普通の体育館なので、やっぱりスポーツイベントに来たからには普段と違うような雰囲気を味わっていただきたいと思っています。

今はライブパフォーマンスと言って、生バンドに結構こだわって実際にドラムセット、ギター、ベース、そしてボーカルとそれを取り巻くダンスチーム、そして炎の演出を少し費用をかけてやっています。

 

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フットサルの試合自体は絶対にエンタメとして楽しめる価値が保証されているんですが

「試合の前後に何をやるか」

が結構リピートにつながる要因になるのではないか、と考えています。

ただ小田原アリーナは大型映像装置、ビジョンがない体育館なのでどうしてもやる内容が限られてしまいます。

 

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サッカースタジアムよりお客さんとピッチが近いアリーナとはいえ、選手の顔の表情であったり、何か出し物をやった時に人の細かい動きを感じるには、やっぱり映像装置が必要だと考え、今シーズン、映像装置を購入しました。

先ほどのライブパフォーマンスの炎とか、大型ビジョンはそれなりに費用がかかるところなのですが、ひとつには新型コロナウイルス感染症の影響以降、セールストークが僕の中で変わってきた部分があります。

今までは

「フットサルは、ものすごい面白いんで、見に来てください!僕らフットサルで日本一を目指して行くんで、応援してください」

と割とシンプルなスポンサー活動をしていたんですけど、やはり皆さんも直面したコロナ禍において無観客や制限付きを経験して

「何のためにホームゲームが開催されているのか」

という本質的な意味をクラブ内で問うようになりました。

そこで出た答えが

「僕らの使命は安全を講じながらお客さんを集めて、一緒に感動したり興奮したりする時間と空間を作ることだ」

でした。

なので今までは

「フットサル、楽しいですよ。だから応援してください」

というセールストークから

「この地域にみんなが集まって、今新型コロナウイルス感染症の影響で欠けている感動空間とか、興奮できる時間を作るお手伝いをしてくれませんか?」

というセールストークに変わったら、少し感覚の違うスポンサーさんが集まりはじめてクラブ全般の活動費へのスポンサーではなくて、会場の演出の個別の費用に対して支援をしていただく企業が現れました。

この大型ビジョンもそういった目的で、

「ビジョンを購入する費用に当ててくれ」

という資金援助を得て設置できました。

 

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ハーフタイムショーはダンスパフォーマンスをしている方々の発表の場がない、ということで、地域の方々に声をかけ、集客できるできないは一旦さておき、地域の中の方々が抱えている『発表の場がないと』いう課題に対して

「湘南ベルマーレを使ってほしい」

というお声かけをしました。

するとこれまで割と演出団体を探すのにも苦労していたところが、今は「ハーフタイムショー=発表の場」と意味合いが変わったことによって

「出たい」

という団体が増えてきています。

 

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アイドルグループの方々にもご縁があって来ていただいたこともあります。

24日にはアリーナの中にプロレスのリングを設置して、プロレスをやっていただきました。

 

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あとはモノマネ芸人のディエゴ 加藤 マラドーナさん、それから当クラブアンバサダーのマーティンさんに来ていただき、一緒に盛り上げていただきました。

 

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アリーナスポーツやってる競技では、まだまだ声出し応援の解禁待ち、という競技がいくつかあると思いますが、我々は一応公式に発表されている中では、国内で一番最初に声出し応援のトライアルを昨シーズン3試合やりました。

 

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Jリーグのガイドラインに則ってやっていますが、屋内と屋外では政府の見解も少し異なっていてアリーナ競技は、少し遅れた形での制限解除という流れになっています。 

選手の中では入団以来、自分の応援を生の声で聞いたことがない選手も少なくありません。改めて声を出して応援される、する感覚を今何とか思い出している最中、といったところです。

 

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選手の交流もFリーグのガイドラインではまだグレーな感じです。

体の接触は禁止されているのでハリセンを持って。ハイタッチを行っています。サインをもらったり、近場で写真を撮ったりする機会が本当に不足しているので

「お客さんのモチベーションをどうやって維持するか」

という施策に関しては、かなり力を入れてやっています。

とにかく非日常感をなるべく出すこと、普段の文化体育館だけではなくて何か特別な空間に来たような雰囲気を出すために、オーラを出し続けていく努力をすることが我々が心がけている一つのテーマとなっています。

基本的なSNS活用は全部やっています。

 

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Twitter、Instagram、LINEですね。LINEに登録していただくとそこからダイレクトに情報発信できます。

LINEでもっともよかった施策は、LINEを登録してくれたらガラポンを1回無料でできる、という企画でした。

それだけで数百人が一気に登録してくれました。先行投資が必要ですが、一旦囲ってしまうと、より明確な情報発信と着信まで確認できるので、LINEは割と今多く活用しています。 YouTubeはまだまだ登録者数が全然足りていませんが、いろんな施策をしています。

モリアゲアドバイザーの山本社長からも冒頭で自分がSNS発信しているというお話がありましたが、私も自らやろうと考えています。

特にファンに喜んでもらうことと、新規層を取ってくる二軸はかなり意識してやっています。私がやるべきことはなるべく新規層の方々に

「タッチポイントをいかにつくるか」

を心がけてやっています。 

 

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こちらリーグのスポンサーであるアビームコンサルティングが、ファンのエンゲージメントやSNS活用をポイント制で評価するコンテストをやっていて、去年は年間で一位、今年もつい先日、年間一位で表彰されました。

なぜこれが取れたのか、と考えたときの一番大きい要素が、うちは全選手がTwitterアカウントを開設していてリスクも承知の上でなるべく積極的な発信をしてくれと呼びかけをしていることだったんです。

選手発信でSNSの中でファンとの交流が活性化して結果的にコンテストのポイントを稼いだことが、結果につながっていたと思います。

賞金も年間で100万円ほどいただけるので、その賞金を次の年のプロモーションやPRへの投資に使っていく循環を今やっています。

冒頭に総合型地域スポーツクラブの話をさせていただきましたが、Jリーグクラブがあることはすごいストロングポイントです。

なのでいかにこのストロングポイントとの接点を作るか、ということで、企画をやりました。

 

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私も含めてPK対決をやって

「どっちが勝つか」

みたいな感じです。

今ベルマーレフットサルクラブでは、4つのペルソナ、ターゲットを決めています。

そのうちの一つがベルマーレファミリーです。すでに盛り上がっていて、歴史もあってお客さんもついているJリーグのファンやサポーターを、いかにフットサルに流入させるかというのがテーマになっています。

バスツアーを組んでみたりと選手と交流してみたりといった施策を行っています。

長らく湘南ベルマーレでプロサッカー選手として活躍していた菊池大介選手が、移籍を繰り返してサッカー界からは一旦引退したんですが、フットサルプレイヤーに転向して湘南ベルマーレフットサルクラブに選手として来シーズンは加入が決まっています。

このニュースは、フットサルのファンのみならず、ベルマーレのサッカーのサポーターからかなりの反響がありました。

おそらく来シーズンは菊池選手を見に、たくさん来場いただけると見込んでいます。

イベント型の施策だけではなく、地道なローラー作戦もやっています。

朝の練習が始まる前の7時半から8時ぐらいに選手と監督、テクニカルスタッフ、そして私も含めたフロントスタッフが小田原駅の構内でチラシを配っているんです。

 

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地域イベントに関しては、試合との兼ね合いで土曜日に試合があると日曜日は休みなので、何かしらのイベントには出るようにはしています。

ここも選手の理解が本当にポイントになっています。

いかに普段から地域と連携し応援されるスタンスが、チケットの売り上げやスポンサーにつながって、その資金源が我々の生活を豊かにしていく原資になっているという説明を懇々とすることによって選手たちが積極的に参加してくれるんです。

今は地域イベントが発生したとき、選手を含めたLINEグループにイベントの趣旨と内容、詳しい日時を共有して

「このイベントに協力してくれる選手を〇名募集しています」

 

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というメッセージを送ると、挙手制で年間通じて相当数のイベントがある中で、今のところ誰かしら手を上げてくれて参加してくれる状況を作れています。

Web広告は、専門知識も少し入れながら今展開中です。 ひとつの事例ですが、前提条件としてFリーグのフットサルの選手、こと湘南ベルマーレの選手に関しては、競技だけでサラリーをもらっているプロ選手と、何か仕事を抱えて社会で活躍しながら競技に向かっているアマチュア選手の2種類が存在しているということです。

ここに写っている選手たちは午前中に練習をして 午後は社会福祉法人に勤めてそれぞれ仕事に従事しています。この写真は高齢者の施設に伺って、ご挨拶をして自分たちの活動のPRをして、応援グッズを一緒に作るようなイベントを今継続的にやっています。

 

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左上に感情分析イベントって書いてありますが、これはもう本当にあのたまたまご縁があってスポーツ庁が推進しているスポーツビジネスにおいて新分野を開拓するといった公募がありました。

人々の感情を分析して、感情の揺れ動きがスポーツの新ビジネスにつながるかといった効果測定をしています。

真ん中の高齢者の方の右腕につけているデバイスで、感情のやすらぎとか興奮とか喜びストレスみたいなのを測って、選手が接点を持った後にテレビで試合の模様をご観戦いただいたときに、どんな感情の揺れ動きになるのか、を分析するんです。

それがもしかすると高齢者の健康や長寿につながっていくのではないか、と考えられています。

スポーツ観戦は健康に良いというアプローチが今後取れるんじゃないか、という施策も行っています。

本日、競技と事業性の話をしましたが三つ目の社会性の話をしていきます。今僕の中で最も力を入れているのが、この社会性の部分です。 

 

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彼は久光重貴(ひさみつしげたか)選手です。実は3年前にがんで亡くなりました。

7年間闘病していたんですが、あるシーズンのメディカルチェックで肺がんが見つかったんです。ただ彼は最後までアスリートを続ける選択を取りました。

ここで一つ皆さんにご紹介したいのが彼は闘病中に抗がん剤治療で入退院を繰り返すんですが、そこで出逢った人や小児がんの子供たちに対して前向きになるような声かけをしたり、場合によってはフットサルスクールを開催したりしていたんですね。

長期療養の子供たちは、本物のアスリートを見る機会がほとんどありません。そんな子供たちに対して、

「俺はがんだけど、とにかくトップアスリートとして向き合って戦える。だからみんなも気を落とすことなく病気に立ち向かっていこう」

というメッセージを行動とともに伝えました。

なぜ彼はこのような行動をしたのか、と。私はこう解釈しました。

人それぞれが何かしら課題を抱えていると思います。これは病気の方だけではないはずです。当然私も個人の課題が当然ながらあります。ただ他者が抱える課題に対して首を突っ込んで一緒に解決に向かっていく姿勢こそが、この久光重貴選手が示してくれた社会性のひとつの形なのではないか、と思うんです。

勝手ながら他者の課題解決に立ち向かうモデルを「久光モデル」と呼んでクラブの事業戦略の1/3を傾ける活動をしています。 

 

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この活動を唱え続けていくと、いろんなところでお話をさせていただく機会が増えてきました。特に珍しがられるのが

「湘南ベルマーレフットサルクラブが何か講演をするぞ」

と呼ばれたものの、試合の話をあまりしないことです。社会性や社会連携の話を中心に繰り広げると、終わった後の反応は

「全く予想していなかった」

というお声を頂くことが多いです。

「スポーツは特に関連性はなかったんだけど、こういった社会連携であれば一緒にパートナーシップを組めるんじゃないか」

といったお声をいただき、スポンサーやパートナーシップの企業さんが少しずつ増えていきました。

社会性の事業に関してもしっかりと数値化、定量化をして目標を定めています。

 

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今年に関しては他者が抱えている課題を解決するようなプロジェクト、社会課題解決事業を10個以上立ちあげることを目標に、昨年の4月からスタートしました。

今だいたい13個ぐらい見込みがあるので、3月の締め月、シーズンが終わった後には目標の数字をクリアできたという良いご報告ができるのかなと思っています。

これもやっぱりステップを踏んで、3年後には40、そして5年後に160の社会課題解決モデルをプロジェクトを立ち上げていくことを目標にして公言しています。

数字に、根拠があるわけではありません。

「これぐらいのペースでやっていきたい」

といったものです。

我々が活動している神奈川県の県西地域の160の地域課題や社会課題の解決に携わっていれば、ゆくゆくはきっと

「ベルマーレがこのまちにあってよかったよね」

「欠かしちゃいけないよね」

ということになるんじゃないかと想像しながら、今はただひたすら走り続けている状況です。 どのようなことをやっているのかという事例をいくつか紹介させていただきます。

 

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これはパートナーの社会福祉法人で、障害を抱える方が就労する就労支援継続事業で農業をやられているところ、選手がサポートにつくことをやっています。この奥に映っているのが牧野謙心選手です。彼は午前中練習して午後からこの社会福祉法人に勤めて障害を抱える方々の就労支援事業のサポートをしています。

この社会福祉法人の理事長に就労支援事業のゴールをお聞きした時に、驚いた回答が返ってきました。それは

「障害を抱える方たちに納税させることがゴール」

なのだそうです。

私個人の感覚では、福祉は救済や一種の施しにも似たイメージを持っていたからです。しかし理事長のお話を伺って福祉とは、本質的には「自立や活躍」なのだな、と理解しました。

じゃあ我々には何ができるか、を考えたときに収穫した野菜を経済の流通にのせていきたいと思い、とれた芋を選手が可愛くラッピングして、自分の写真にサインを添えて販売する、ことを考えました。

そうすることで、ファンやサポーターの方が市場の三倍とか四倍ぐらいの値段で買っていただけます。さらには

「購入したお芋を使ってカレーを作りました!」

といった報告がSNSで展開されていく、するとSNSの投稿を見た障害を抱える方々や、ご家族が自分がとった芋がものすごい喜んでもらえてSNSにもアップされている、ということで、達成感や自分が活躍しているみたいな気持ちになってもらえる、といった良い循環が生まれるのです。

飲食系をやっている他のスポンサーさんからお声がけをいただいて、

「何かできることはある?」

「食材として仕入れましょうか?」

といった広がりを見せてもいます。

ベルファームという名前で企画自体を一つのプロジェクトとして立ち上げて、今、第二フェーズぐらいに来ています。

この流れでもっと農作物を作っていこうということで、中学生や高校生の育成組織の選手たちにも手伝ってもらって、耕作放棄地を耕して石を拾って畑にして芋を植えて、障害を抱える方と一緒に収穫して販売することを今やっていこうとしています。

スポーツ庁がやっているイノベーションリーグというのがありまして、今回応募したところ、このベルファーム事業が大賞を取ることができました。非常に栄誉なことだと思います。

二つ目はたまたま学生インターンの方が児童養護施設でアルバイトをしていて、いろいろ雑談の中で話を聞いていくと

「洋服が不足して困っている」

という話でした。

どういうことかというと、経済的に裕福ではなく、年間で限られた予算の中で洋服を買う必要があるため当然足りない、ということなんです。

どういったことで補っているかというと、地域の方々が古着を持ってきてくれる文化があったものの、コロナ禍以降は他人の使い古しだと感染する可能性があるため、受け入れが止まってしまったそうです。なおさら服がないわけですよね。

 

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さらに古着も嬉しいけれど新品がいいですよね、と本当に率直な言葉を聞いて、

「何かできないか」

と思いました。サプライヤーのゴレアドールに相談したところ、

「寄付では施しっぽくなるので、型落ちの売れ残りを活用して持続できる事業としてできませんか?」

となり、全部が売れ残りではなく一部売れ残り商品と資金援助をしていただいた企業のご協力で新品を買いそろえて50人分の洋服を持っていくことができました。

行ったらそのあとまたどんどん新しい課題感が見えてきました。

洋服だけではなく、年頃の中高生ぐらいの女の子のコスメであったり、ドライヤーとかが必要だと感じたわけです。

そういったものはなんとなく「贅沢品」に分類されているようでした。でも年頃の女の子にしたら贅沢品どころか、必需品ですよね。 

そういったものが不足してるとわかったので、今は家電メーカーや化粧品メーカーに少しずつ働きかけて洋服と同じ仕組みで

「型落ちの新品をここに届けに行けませんか?」

といった事業を行っています。

この施設は社会と分断されることにすごい恐怖感を抱いています。頻繁に気軽にきてくれるような関係性を築きたいということで、今何かと理由をつけて、お菓子を持ってたり、新グッズが出たらそれを紹介しに行く、といった活動を選手と一緒にやっています。

同じ地域に住むお兄ちゃん、お姉ちゃんぐらいのスタンスで取り組んでいるという感じです。

これはシンプルに環境配慮の事業ともいえます。ファンやサポーターからポリエステルをの古着を回収して100%リサイクルとして販売しました。

 

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ユニフォームは機能性を突き詰めると、リサイクルが現段階では難しいですが4、5年を目処にベルマーレフットサルが取り扱うウエアを全てリサイクルに転じていけるように、動いています。

 

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こちらは段ボールがおもちゃに変化(トランスフォーム)する『トラダン』という名称で事業展開している段ボールメーカーです。

最初は

「段ボールがおもちゃに変わるので、一緒に作りませんか?」

というお話をいただきました。東日本大震災が起こった時に避難所におもちゃがなくて、子供達が運動する機会が結構減ってますよね、という話を聞いたのを思い出しました。

そこから災害備蓄のダンボールをこの『トラダン』に全部チェンジさせて、もし何かそういった環境になってしまった時に災害備蓄を使い、その段ボール自体がおもちゃに変化するみたいな事業を広げていきましょうとなったわけです。

今、鉄道会社や地域の行政と組んで、我々の地域の幼稚園や保育園の 災害備蓄をこの『トラダン』に変えられないかな、と動き出しています。

 

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こちらは小児がんの啓蒙啓発活動です。『Global Gold Septemberキャンペーン』ということで世界的に9月は小児がんの啓蒙啓発月間になっています。

金色の何かを身につけキャンペーンに参加していることを示します。湘南地域では9月のとある一日は小田原城が金色になったり、江の島のシーキャンドル、灯台が金色になったりしました。行政や地域の方々をつないで一緒に取り組んでいます。

 

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こちらは動物の保護活動です。右上のマスクマン、犬の恰好をしている彼が私のところに来て、

「動物の殺処分0を目指したいので、活動を手伝ってください」

と言ってきました。6年前のことです。スポーツ団体として何ができるのかな、と考えた時にまずは保護されている猫や犬がいること、引き取り手がないと殺処分されてしまうこと、ただし譲渡会で里親が見つかると命が救われることを発信するサポートができるのかな、と思いました。

ペットショップでペットを買うだけではなく、引き取り手を探している犬や猫が存在するんですよということを知ってもらうわけです。年に一回エキシビションマッチを開催し、そこでエスコートキッズならぬ、エスコートドッグをやってみましょう、と。

子供達に犬のマスクをかぶせて入場してもらい、場外には犬や猫が好きだという共通のマインドを持ったブースを30店舗ぐらい出してもらって、みんなで保護猫保護犬のことを考える一日といったイベントをやっています。

体育館の中には、介助犬以外の犬を入れられないという全国的な決まりがあるために、子どもたちにマスクをつけてもらっていますが、ぜひほかの競技で屋外でやられている団体であれば、ぜひ本物の保護猫や保護犬をエスコートドッグやキャットとして実施していただくと、もっと発信できると思っています。 

 

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こちらは障害を抱える方々が、アートの世界で活躍する団体です。展示会や発表する場をホームゲームで作る方法もありましたが、もう一つ踏み込んで、デザイナーとしてビジネスの取引先として発注することを年に数回やらさせていただいています。

これも福祉において施しや救済ではなくて、自立や活躍というテーマを発信していけたら、と思ってのことです。

とにかく社会連携での出会いが集客につながっている、と思います。

我々はスポーツ団体なのでスポーツ領域の中で、人との接点を作るのは得意なんですが、その領域をいかに飛び越えるか、を今大事にしています。

そこに眠っている、まだ出会っていない人の数は絶対的にスポーツ領域以外の方が、大きいわけです。

なので今は社会に貢献したり、お役に立つというマインドが本質ではあるものの、集客の部分を取ったとしても、社会課題解決事業は非常に有効なやり方ではないかな、と思います。

 

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スポンサーのほかにパートナーシップを締結し、金銭とは別の次元で組んでクラブを大きくする、そして一緒にその社会課題を解決して行くという企業がどんどん増えていっております。

一方で、スポンサーやチケット収入でFリーグの方は放送権がまだまだ収入の軸にはなっていません。そのためスポーツビジネスのシンプルな収入源の他に、何か収入の柱を作りたいと考え、ビジネス文脈に強い人材を取り揃えて、フットサルやスポーツに関係なく、経営分析や経営コンサルティングを地元企業と契約してお金を業務委託料としていただいているというような実績を今積み始めています。 

 

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私がやっている新規層と出会う場としてYouTubeで30日間連続で配信をやったりといった施策も行いました。地域について考える会みたいなベルマーレサロンも、黙々とやっていました。

 

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あとはトークンを発行して、競技に寄せたファンコミュニティではなく、完全にベルマーレフットサルと一緒に社会課題を解決しましょう、というアプローチの仕方で約70名ぐらいホルダーが今存在しています。

これからまったくスポーツに関係ないことを皆さんと作っていく、5年後に160の課題解決をするという目標に到達するためには、多分クラブスタッフのほかに、いかに人数を集めるのかが肝になってくると思っています。

こういったデジタルや新領域、Web3のような領域を活用して、仲間や同志を集めることもやっています。

いろいろとお話させていただきましたが、重要なことは三つの軸だと思います。

人を集めて、感動空間やその興奮感を提供するのに一番有効な切り口は、

「地域の課題感をいかに聴くか」

です。今我々は小田原界隈でやっていますが、若い人たちは地元で遊びません。これは地元にしてみたら、悔しいことです。

一つの課題だと思うので、今は地域の方たちにこの街の若者が自分の住んでいる街に

「イケてるエンタメあるよ」

という日常会話が街のそこら中で交わされる状況をみんなで作っていこう、というシンボルキャッチフレーズを唱え続けている状況です。

そして三つ目の社会性に関しては、スポーツ領域をいかに飛び越えていくか、いかに今出会っていなかった人たちとのタッチポイントを作るかということが、今の集客につながっているのではないかと感じています。


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